間取りが決まって、ほっと一息ついたころ。打ち合わせの案内に「電気設備の打ち合わせ」と書かれていて、何を持っていけばいいのか分からない——そんな段階の方に向けた話です。

コンセントとスイッチは住んでから毎日触るものですが、決める時間は間取りや外観にくらべるとずっと短くなりがちです。しかも壁がふさがると、あとから足すのは簡単ではありません。その場で数えるより、準備してから行きたいところです。

電気の打ち合わせは、いつ来るのか

家づくりは「契約」→「間取りの確定」→「仕様決め」→「着工」と進みます。電気設備は仕様決めのなかに入り、キッチンや浴室の設備、内装と並行して決めます。

その場に出てくるのは、間取り図をもとにした電気設備図(配線図)と、照明器具の配置図です。決めるのは、コンセントとスイッチと照明の「位置」「数」「高さ」です。

気をつけたいのは締切です。間取りが固まってから着工までには、申請や審査などの準備に2か月ほどかかるのが一般的で、図面としては着工前に固めるのが通例です。ただし実際に変えられる最後の時期は会社によって違い、壁の下地をふさぐ前まで相談できることもあります。だからこそ最初の回に「いつまでなら変えられますか」と聞いておく。これが一番効きます。

壁の中の配線は、石膏ボードが張られると手が届かなくなります。引き渡し後に口を増やすときは、表面に配線カバーを這わせる方法が多くなります。壁がふさがる前の現場での確認は、「着工から引き渡しまで、家はこうして建っていく」の記事でふれています。

数を決める前に、置くものを図面に書き込む

「ここは何口にしますか」と聞かれて、その場で思い出そうとすると、たいてい抜けます。先に家具と家電を図面に書き込んで、それから数を数える。使い方で4つに分けると、漏れにくくなります。

延長コードが増えやすいのは、二番目と三番目です。キッチンでは電子レンジと炊飯器とケトルが同じ時間に動き、掃除機は廊下や階段のそばに口があるかで勝手が変わります。

高さは「床から何センチ」で決まる

床からの高さは、図面では「FL+250」(床の面から250mm)のように小さく注記されるだけで、見落としやすい部分です。指定がなければ、その会社の標準の高さで付きます。役割ごとに変えるのが普通で、よく使われる目安はこのあたりです。

使う場所高さの目安そうする理由
一般の居室床から25cm前後家具や掃除の邪魔になりにくい
カウンターや机の上天板から10〜15cm上天板の上で挿したまま使える
掃除機・アイロン用床から40cm前後しゃがまずに抜き挿しできる
洗濯機・冷蔵庫のうしろ本体で隠れない高さ動かさずにプラグを抜ける
スイッチ床から100〜120cm立ったまま手が届く範囲

いずれも住宅会社ごとの標準仕様として使われている値で、公的に決まった寸法ではありません(2026年9月時点で一般に案内される範囲です)。置く家具の寸法が決まっているなら、そこから逆算します。「この棚を置くので天板より上に」と伝えれば、その場で図面に書き込まれます。

図面を見れば気づける、よくある取りこぼし

ここから挙げるのは、電気設備図と間取り図を並べれば自分で気づけるものです。平面図の記号は「間取り図が読めると打ち合わせが変わる」の記事でくわしく扱っています。ここでは、その図面に何を書き込むかに絞ります。

キッチンカウンターの天板の上に設けられたコンセントと、置かれた電気ケトル

まとめ——決める日の前に、図面に家具を書き込んでおく

準備することは多くありません。間取り図のコピーに家具と家電の四角を描き、挿すものの名前と高さを書き添える。扉の開く向きと引き込む先を見て、使える壁と、2か所で切りたい場所に印をつける。

これを済ませた図面を持ち込めば、当日は「数を数える時間」ではなく「置き方を相談する時間」になります。打ち合わせの回数が限られる方には、この差が効いてきます。

間取り図を1枚コピーして、冷蔵庫とテレビと洗濯機の四角を描いてみてください。それだけでも、足りない場所が見えてきます。