家づくりのお金の話には、性格の違う税金が二種類まざって出てきます。ひとつは住んでいるあいだ毎年かかるもの。もうひとつが、家を手に入れるその時だけ一度きりかかるものです。
前者の代表が固定資産税・都市計画税です。1月1日時点の所有者に市区町村から通知が届き、建てた翌年からずっと続きます。後者は印紙税・登録免許税・不動産取得税の三つ。契約のたびに国へ、登記のときに国(法務局)へ、引き渡しの半年〜1年後に都道府県へと、納め先も時期もばらばらです。
やっかいなのは後者です。支払う順番に並べて見ていきます。以下の税率・控除額は2026年8月時点のものです。
契約と登記のとき——印紙税と登録免許税
印紙税は、書面を交わすたびにかかる
印紙税は契約書などの文書にかかる税金で、決められた額の収入印紙を貼って納めます。家づくりでは、土地の売買契約書、工事請負契約書、住宅ローンの金銭消費貸借契約書の、主にこの三つが対象です。
税額は契約書の記載金額の段階で決まります。売買契約書と工事請負契約書には税額を軽くする特例がありますが、住宅ローンの契約書にはこの軽減がなく、同じ金額帯でも税額が違います。
| 契約書の記載金額 | 売買・請負(軽減後) | 住宅ローン契約書 |
|---|---|---|
| 500万円超〜1,000万円以下 | 5,000円 | 1万円 |
| 1,000万円超〜5,000万円以下 | 1万円 | 2万円 |
| 5,000万円超〜1億円以下 | 3万円 | 6万円 |
土地1,000万円・建物2,500万円、ローン2,500万円なら、5,000円+1万円+2万円で合計3万5,000円。なお土地から買う場合は、住宅ローンが下りるまでをつなぎ融資でまかなうことが多く、その契約書にも印紙税がかかります。実際の合計はこれより増えます。
印紙税は紙の文書にかかる税金です。電子データで取り交わす場合は課税されない取り扱いが示されていますが、同じ内容でも紙の契約書を作ればかかります。どの契約を電子で結べるかは会社によって異なります。
登録免許税は、評価額と借入額に掛かる
建てた家を自分のものだと公に示す手続きが登記です。ここでかかるのが登録免許税で、引き渡しの前後に発生します。新築ではまず建物の表題登記を土地家屋調査士が、そのあとの保存登記・抵当権設定登記を司法書士が行うのが一般的で、それぞれに報酬がかかります。
税額は「課税標準 × 税率」。課税標準は建物なら固定資産税評価額、抵当権の設定なら借入額です。評価額は実際に払った額より低く、新築では建築費の5〜6割程度が目安といわれます。
| 登記の種類 | 何に掛かるか | 本則 | 住宅用家屋の軽減 |
|---|---|---|---|
| 建物の所有権保存(新築) | 固定資産税評価額 | 0.4% | 0.15% |
| 建物の所有権移転(売買) | 固定資産税評価額 | 2.0% | 0.3% |
| 抵当権の設定 | 借入額 | 0.4% | 0.1% |
この軽減税率は期限を区切った特例です。建物の評価額1,300万円(建築費2,500万円の5〜6割程度と見た場合)と借入額2,500万円で当てはめると、保存登記が1万9,500円、抵当権設定が2万5,000円で合わせて約4万5,000円。軽減がなければ約15万円です。
軽減の主な要件は、床面積50m²以上、自分が住む家、新築または取得から1年以内の登記であること。適用には市区町村発行の住宅用家屋証明書が要ります。長期優良住宅や低炭素住宅の認定を受けた一戸建ては保存登記の税率がさらに下がる特例もありますが、この系統は期限が短く区切られてきました。適用の有無と税率は着工前に確認してください。
引き渡しの半年後にくる——不動産取得税
三つのうち、いちばん見落とされやすいのがこれです。土地や建物の取得時に一度だけ都道府県から課される税金で、通知書が届くのは引き渡しから半年〜1年後ごろ。引っ越しも落ち着き、支払いは終わったと思っている時期に封筒が届きます。
税率は本則4%ですが、土地と住宅には3%とする特例が設けられてきました。さらに宅地は課税標準を評価額の2分の1とする措置があり、新築住宅には控除もあります。
- 建物——課税標準から1,200万円を差し引けます(床面積50m²以上240m²以下などの要件あり)。認定長期優良住宅は控除額が大きくなる特例もあります(適用期限の確認を)
- 土地——税額から、「45,000円」と「1m²あたりの評価額 × 1/2 × 住宅の床面積の2倍(上限200m²)× 3%」の、大きいほうを差し引けます
控除が大きいので、税額が0円になることもあります。ただし建物で0円に収まるのは評価額1,200万円以下のときです。評価額が1,300万円なら、控除後の100万円に3%がかかり3万円。建築費2,500万円なら評価額はおおむね1,250〜1,500万円が目安なので、少額でも残ることがあります。
また、これは軽減が適用された場合の話です。要件を満たしても、申告をしないと軽減前の税額で通知が届くことがあります。期限は取得から20日以内、30日以内、60日以内など都道府県で異なります。
まとめ——時期がずれるから、先に地図を持っておく
印紙税は契約書1通につき数千円から数万円で、合わせて数万円。登録免許税は評価額と借入額に応じて数万円から十数万円(土地から買うなら、税率が取得時期で変わる土地の所有権移転登記の分が加わります)。不動産取得税は半年〜1年後に届き、軽減が効けば数万円か0円に収まることもあります。
ここで挙げた税率や控除額には、期限を区切った特例が多く含まれます。金額を詰める段階では、国税庁の案内や都道府県の税務事務所で最新の内容を確認してください。
金額そのものより大事なのは、いつ、どこから請求が来るのかを先に知っておくことです。お金のカレンダーを一枚作っておけば、あとから届く封筒に慌てずにすみます。