「土地と建物の金額は分かった。あとはローンを組むだけ」——そう思っていたのに、打ち合わせが進むにつれて、見積もりに載っていなかったお金が次々に出てくる。家づくりでよくある戸惑いです。

建築費以外にかかるお金を、まとめて諸費用と呼びます。金額はケースによって幅がありますが、一般には建築費や土地代の数%から1割程度を見ておくとよいといわれます。何にいくらかかるのかを先に把握しておけば、資金計画はぐっと立てやすくなります。

諸費用には、どんなものがあるか

契約と登記にかかるお金

住宅ローンにかかるお金

建物本体以外の工事と、暮らしの準備

引き渡しのあとにくるお金

見落としやすいのが「つなぎ融資」

住宅ローンは、原則として建物が完成して引き渡しを受けるときに、一括で実行されます。ところが実際の家づくりでは、その前に大きな支払いが何度も発生します。

住宅ローンが下りる前に必要になるこれらの資金を立て替えるのがつなぎ融資です。引き渡し時に実行される住宅ローンで一括返済するのが一般的な流れになります。

つなぎ融資には利息がかかり、これは住宅ローンとは別に負担するお金です。事務手数料や印紙代も別途必要になります。借入期間や金額によって変わりますが、決して小さくない額になることもあるので、早い段階で概算を出してもらいましょう。

なお、金融機関によっては工事の進み具合に応じて融資を分けて実行する「分割実行」に対応した住宅ローンがあり、つなぎ融資を使わずに済むこともあります。土地から購入して家を建てる場合は、この点を金融機関選びの段階で確認しておくと安心です。

注文住宅は、建売住宅やマンションと違って支払いが数回に分かれます。「いつ・いくら払うのか」の支払いスケジュールを、契約前に必ず書面で出してもらうこと。これが資金計画でいちばん効きます。

現金で用意しておきたいもの

諸費用のなかには、ローンに組み込みにくく、手元の現金から支払うことになるものがあります。

最近は諸費用まで借り入れられる住宅ローンもあります。ただし借入額が増えれば、毎月の返済額も総支払額も増えます。手元の現金をどこまで使うかは、教育費の予定や、万一に備える生活防衛資金とのバランスで決めたいところです。貯金をすべて頭金に回さない——これは多くの場面で守っておきたい原則です。

資金計画で大切なのは、早い段階で「総額でいくらか」をつかむことです。建物の本体価格だけを比べても、実際の負担は見えてきません。標準装備の範囲が広くオプション追加が少なくて済む家づくりは、見積もりのブレが小さく、総額の見通しを立てやすいという利点があります。
夕暮れの空を背景に建ち上がった、上棟したばかりの木造の家

まとめ——「建築費+諸費用+現金」で考える

家づくりの予算は、建築費だけでは完結しません。契約や登記の費用、ローンにかかる費用、外構やカーテンといった暮らしの準備、そして引き渡し後にやってくる税金。これらを合わせた総額で考えて、はじめて現実的な計画になります。

そして、住宅ローンが下りるのは最後だということ。それまでの支払いをどう乗り切るかを、つなぎ融資も含めて先に決めておく。この2つを最初に押さえておけば、打ち合わせが進んでから慌てることはぐっと減ります。わからない費用が出てきたら、遠慮せずその場で「これは誰に、いつ払うお金ですか」と聞いてみてください。