マンションから戸建てへの住み替えで、ふと不安になるのが「防犯」のこと。共働きで日中は家を空けることが多いと、「ちゃんと対策できているのかな」と気になりますよね。実は戸建ての防犯は、高価な機器を入れるよりも、ちょっとした考え方と組み合わせで大きく変わります。今回は、家を建てる前にも引っ越し直後にも役立つ「5つの基本」を整理してみました。
侵入は「短時間で済む家」を狙う——犯人の視点を知る
警察庁の統計によると、戸建てへの侵入経路でいちばん多いのは「窓」、次に「玄関」です。侵入の手口は意外と地味で、無施錠のドアや窓から入る「無締まり」と、ガラスを割って解錠する「ガラス破り」が大半を占めます。
そして、侵入をあきらめる目安は「5分」と言われています。5分以上かかりそうな家には手を出さない、というのが空き巣の行動パターン。つまり、家を要塞のように固める必要はなく、「ちょっと面倒くさそう」「人目につきそう」と思わせるだけで、ほとんどのリスクは防げるということです。この前提を踏まえて、優先順位の高い5つの対策を見ていきましょう。
共働き家庭で押さえたい5つの基本
1. 窓は「補助錠」と「防犯ガラス」の2段構え
もっとも侵入が多い窓まわりは、最重要ポイントです。新築なら防犯ガラス(合わせガラス)や防犯フィルム付きの樹脂窓を選ぶと、ガラス破りに数分かかるためあきらめさせる効果があります。既存の窓には、後付けできる補助錠(サブロック)を上下に1つずつ追加するだけでも、解錠時間が大幅に増えて抑止力になります。
とくに人目につきにくい裏手や2階の窓——足場になりそうな給湯器・物置の近く——は要注意。死角になりやすい場所の窓ほど、念入りに対策しておきたい部分です。
2. 玄関は「鍵を2つ」にして時間を稼ぐ
玄関のピッキング対策には「ワンドア・ツーロック」が基本です。鍵を2か所つけるだけで、解錠にかかる時間がほぼ倍になります。最近はスマートロックも普及していて、暗証番号やスマホで開閉できる上に、施錠忘れの通知が届くタイプもあります。共働きで朝バタバタしがちな家庭ほど、施錠忘れの自動通知は心強い味方です。
3. 「夜の見える化」をセンサーライトで
侵入者がいちばん嫌うのは「人の視線」と「光」です。玄関、勝手口、駐車場、裏手の通路など、夜になると暗くなる場所にセンサーライトを設置するだけで、抑止効果は大きく上がります。LEDタイプなら電気代もごくわずか。タイマー付きの室内ライトを組み合わせれば、留守の日も家の中で人が動いている雰囲気を演出できます。
4. カメラと宅配ボックスで「留守を見せない」
玄関のインターホンを録画付きのものにする、または小型の見守りカメラを設置するのは、いまや手軽な対策のひとつです。クラウド録画タイプなら数千円〜の月額で導入できます。
もうひとつ大切なのが、宅配ボックス。共働き家庭では再配達が多くなりがちですが、再配達票がポストにたまっている家は「留守がち」と見られてしまいます。宅配ボックスがあれば不在を悟られにくく、家族の時間も節約できる一石二鳥のアイテムです。
5. 庭・外まわりは「見通し」を意識する
意外と見落としがちなのが、庭やフェンスの設計です。背の高い塀や生い茂った植栽は、プライバシーは確保できても「侵入後に隠れられる死角」になりがちです。腰高のフェンスや見通しのよい植栽にして、外から家のまわりがある程度見える状態にしておくと、「目撃されるリスク」が高まり、侵入者は近寄りにくくなります。
これから家を建てる方は、設計段階で「敷地のどこに死角ができるか」を意識して、塀の高さ・植栽・照明計画を組み立てておくと、後付けでは難しい防犯性能が手に入ります。
まとめ
戸建ての防犯は、高額な機器を一気に揃えることよりも、「侵入に時間がかかる」「目撃されやすい」家を地道に作っていくことが本質です。窓と玄関の鍵を強化し、夜に光が灯り、留守がバレにくい工夫をする——この5つを押さえておけば、共働きで日中家を空けても、安心して過ごせる住まいに近づきます。
これから新築を計画する方は、ぜひ間取りや外構の打ち合わせ段階で「防犯」も話題に上げてみてください。窓の位置、玄関の見通し、照明計画、フェンスの高さ——どれも後から変えにくい部分です。家族の毎日を安心して過ごすために、設計のはじまりから防犯の視点を一緒に入れておくのがおすすめです。