住宅会社のパンフレットで「長期優良住宅に対応」という言葉を見かけたことはありませんか。名前のとおり、長く良い状態で住み続けられる家を国が認定する制度です。

認定を受けると税金やローンの面で優遇があり、住まいの質を示す裏づけにもなります。一方で、申請の手間や、認定を受けたあとに続く義務もあります。この記事では、基準とメリット、そして注意点をやさしく整理します。

長期優良住宅とは、どんな制度か

長期優良住宅は、2009年に始まった国の認定制度です(長期優良住宅の普及の促進に関する法律にもとづきます)。土台にあるのは「つくっては壊す」から「良いものをつくって、手入れをしながら長く大切に使う」への転換という考え方です。

認定するのは所管行政庁(都道府県や市区町村)で、着工前に申請する必要があります。2022年10月には基準が見直され、省エネ性能の要件が引き上げられました。

認定に必要な、主な基準

一戸建ての新築の場合、おおむね次のような項目を満たすことが求められます。

並べてみると、どれもふだん目に見えない部分の質を問う項目だと分かります。なお基準は改正されることがあるため、最新の内容は所管行政庁や国土交通省の案内で確認してください。

認定を受けると、何が得か

税金の優遇

控除額や税率は年度ごとの税制改正で変わります。契約前のタイミングで、最新の内容を確認してください。

ローンと保険での優遇

補助金や、将来の売却で有利になることも

住宅の省エネ関連の補助事業で、認定住宅が対象になったり、補助額が加算されたりすることがあります。また、認定を受けた記録と点検の履歴が残るため、将来売却するときに建物の状態を説明しやすいという利点もあります。

知っておきたい注意点

メリットだけでなく、手間とコストの面も見ておきましょう。

つまり長期優良住宅は「認定をとって終わり」ではなく、住み続けるあいだ手入れを記録していく制度です。そこまで含めて納得したうえで選びたい制度といえます。

長期優良住宅の基準は、耐震・断熱・維持管理といった「見えない部分の質」を問うものです。耐震等級3・断熱等級6以上を標準とするGX志向型住宅のように、はじめから高い性能で設計されている家であれば、認定の基準を無理なく満たしやすくなります。認定を取るかどうかにかかわらず、この基準の中身は住宅を見比べるときのよい物差しになります。
夕暮れどきの庭とウッドデッキ、灯りのともるリビングの窓

まとめ——長く住むための「共通のものさし」

長期優良住宅は、劣化対策・耐震性・省エネ性・維持管理のしやすさなど、家を長持ちさせるための条件を国が定めた認定制度です。認定を受ければ税金やローンで優遇があり、点検の履歴が家の履歴書として残ります。

一方で、着工前の申請が必要で、費用がかかり、住み始めたあとも点検と記録が続きます。制度を使うかどうかは、その手間を含めて判断するものです。

ただ、たとえ認定を取らない場合でも、この基準を知っておく価値はあります。「この家は劣化対策等級でいうとどのくらいですか」「配管の点検はしやすいつくりですか」——そんな問いかけができるようになると、住宅を見る目は確実に変わります。長期優良住宅の基準は、長く住む家を選ぶための共通のものさしなのです。