住宅ローンの話になると、まず出てくるのは金利です。変動か固定か、何%か。けれど実際に動き出してみると、その手前で決めることがあります。どこで借りるか、です。

借入先が決まらないと、金利タイプの比較も先に進みません。同じ「変動金利」でも、銀行によって手数料の取り方も、繰り上げ返済のルールも、土地から買う人への融資の出し方も違うからです。

ここでは、ネット銀行・地方銀行・フラット35・住宅会社の提携ローンという4つの性格を整理します。事前審査を出す先を2〜3か所に絞るところまでが、この記事の目的です。

「金利が低いところ」で選ぶ前に、確かめておきたいこと

広告やサイトに大きく出ている金利は、多くの場合いちばん条件のよい人に適用される数字です。実際の金利は、審査の結果や給与振込口座の指定といった条件で変わります。

そのうえで、金利以外の費用の重さを見てみます。融資事務手数料——ローンを借りるときに金融機関へ払う手数料です——には、数万円で済む定額型と、借入額に一定率を掛ける定率型があります。定率型は借入額の2.2%(税込)とする例が多く(2026年9月時点。設定は金融機関により異なります)、3,000万円を借りるなら66万円。定額型が5万円台だとすると、その差は60万円ほどです。

この60万円が重いかどうかは、金利に置き換えると見当がつきます。3,000万円を35年・元利均等返済で借りた場合、金利1.0%と1.1%では総返済額がおよそ60万円変わります(同じ金利が最後まで続いたと仮定した計算上の目安)。手数料の違いは、金利にすると0.1%前後の差に相当しうるということです。表示金利が少し低くても、定率型なら総額で逆転することもあります。

ネット銀行・地方銀行・フラット35・提携ローン、それぞれの性格

借入先には、それぞれ向いている場面と、割り切りが要る場面があります。

借入先性格向いている場面
ネット銀行店舗を持たない分、表示金利が低めに設定されることが多い。手続きはウェブ中心で、書類も自分で進める土地と建物の契約が固まっていて、自分で調べて進めるのが苦にならない
地方銀行・信用金庫地域の土地の事情や地元の住宅会社に明るく、担当者と対面で相談しながら進められる土地探しの段階から相談したい、融資を複数回に分けて受けたい
フラット35住宅金融支援機構と民間金融機関が提携して扱う全期間固定金利。取扱金融機関ごとに金利と事務手数料が異なる返済額を最後まで固定したい、団信の加入が難しい事情がある
住宅会社の提携ローン住宅会社が窓口になって手続きを進める。工事の進みに合わせた融資の扱いに慣れている一方、選べる金融機関は限られ、金利や手数料が最も低い先になるとは限らない手続きの手間を減らしたい、着工から引き渡しまでの資金の流れを任せたい

フラット35は、性格の違いがはっきりしています。保証料がかからず、繰り上げ返済の手数料もかかりません(ただし繰り上げ返済には1回あたりの下限額が決められており、手続きの方法によって金額が変わります。2026年9月時点)。団体信用生命保険(団信)の加入は任意です。表示されている金利には団信の分が含まれており、加入しない場合はその分だけ金利が引き下げられます(2026年9月時点)。また、建てる住宅が住宅金融支援機構の定める技術基準に適合していることを示す適合証明書が必要になります。

表面金利の外側にある、5つの比べどころ

候補を絞るとき、見積もりや商品説明書で確かめておきたいのは次の5つです。扱いは金融機関ごとに違います。

土地から建てる方ほど、最後の項目が効いてきます。建て替えのように土地の決済がない場合は関係しません。

事前審査は複数の金融機関に同時に出せます。申し込んだ記録は信用情報機関に残り、CIC(指定信用情報機関)では申込情報が照会日から6か月間、全国銀行個人信用情報センターでは照会記録が1年間保有されます(2026年9月時点)。
夕暮れのリビングの窓辺に並ぶ木の家の模型と小さな鍵

まとめ——先に借りる先を絞ると、金利の話が進む

金利は、借入先を比べる材料のひとつです。手数料の取り方、保証料の有無、団信の上乗せ、繰り上げ返済のルール、融資の出し方。これらを並べて初めて、どこが自分に合うかが見えてきます。

まずは、土地から買うのかどうかで融資の出し方を確かめる。そのうえで手数料と保証料を金額で聞き、団信にどこまで求めるかを決める。この順に進めると、候補は自然と2〜3か所に絞れます。そこから先が、変動か固定かという金利タイプの話です。